2019年12月20日金曜日

相続の3ヶ月ルール?!

昨日のNHKのビジネス特集「知らないと大変なことに!相続の3ヶ月ルールって?」の放送をご覧になられた方もいらっしゃるかと思います。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191218/k10012219631000.html

いま全国で問題になっている空き家問題(朽ちた空き家が通行者や近所の迷惑になっているが、所有者不明のため行政も対処できない)とも関連していますが、長い間連絡を取っていなかった親族の財産を突然相続することになったら・・・というのがこの放送のテーマでした(私も全部は見ていないためおそらくそういうことなのだろうと思います)。
相続するって得しかないと思われがちですが、もちろん借金などのマイナスの財産も相続の対象となる「財産」となりますし、それこそ廃墟と化した空き家を相続するとなったら、多くの解体費用を負担するの?!となってしまいます。

そこで登場するのが

相続放棄

という手続です。
これは「相続の開始があった」ことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で「相続放棄」の手続をすれば、相続しなくて大丈夫!という制度です。
相続の開始があった」というのは、一番わかりやすいのが亡くなったことを知ってからという場合。
この3ヶ月という期間は思いの外短く、事前に延長の手続も取ることができますが、気付いた時には3ヶ月経過していた・・・ということもままあります。
これがいわゆる「3ヶ月ルール」です。

同番組では、法律相談で、離婚した父の住んでいた空き家を相続したという女性が弁護士から、この3ヶ月を経過したために放棄できなかったという事例が紹介されていました。

具体的な事情等がおありと思いますが、亡くなったことを知ってから3ヶ月を経過しても、「相続する財産って何もないわよね・・・」と信じた場合には、マイナスの財産があるということを知ってから3ヶ月以内に相続放棄をすれば、認められる場合があります。

半年前に音信不通の親族が亡くなったことを知ったけど、特に相続するものもなかったので放置していたが、突然、消費者金融から延滞していた借金を請求された場合を想定してみましょう。
この場合、音信不通の親族の様子など知るよしもありませんから、相続する財産などないと思っても不思議はありません。
そうすると、消費者金融から請求が来た時に初めて
「あ、この故人(ひと)借金作ってたのね・・」
となるため、その請求が来たときから3ヶ月以内であれば相続放棄ができる可能性があります(最高裁第二小法廷昭和59年4月27日判決)。


もう今年も終わりです。月日の経つのは早いものですが、亡くなったことを知ってから3ヶ月経っても、
諦めよう・・・
と思わず一度ご相談に来られてはいかがでしょうか。

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