とある先輩弁護士のツイッター上での発言が個人的には喜ばしいものであったため、ブログで述べさせていただきます。
ツイートによれば、某府の弁護士会では、貸与制世代と言われている弁護士たちに、返済が始まる月から10年間の弁護士会費を減額することが決まったそうです。
この貸与制といいますのは、弁護士になるために司法試験に合格した後、司法修習生という身分として研修を受ける期間があります。
この司法修習というのが、最高裁判所が採用し、公務員としての身分を有するが、給料はもらえない、しかし公務員だから兼業禁止というなかなかサディスティックな制度なのです。
司法修習生は司法試験の合格者が出るたびに採用しており(69期、70期というようにカウントしていきます)、現在は71期目の修習生がこの司法修習にて法曹実務家となるべく日々研鑽しているところです(ちなみに71期からは給料ではないが、返還の必要のない給付金の支給が一昨年決まりました。)
余談ですが、弁護士というのは、この司法修習の期の意識が強く、例えば
「あの先生若いと思ってたけど自分より期が上だったのね。。。」
や
「同期会しよーぜ!!」
ということがあります。
さて、話を戻すと、65期から70期までの修習生を経た法曹は、国の制度改革によって給料がもらえず、兼業もできないが故に、国から借金をして修習を経験しています。
当然、1期から64期までは給料が支給され、71期からは給付金が支給されるのに、65期から70期は借金を背負わされるのだ。。。という不公平が出てきます。
いわゆるこの65期から70期までを「谷間世代」というのです。
そもそも論として司法修習生に給与を払わないことは憲法上も政治的にも問題のあることであるとは思いますが、今回は省略しまして、まずは、冒頭に述べた、某弁護士会の英断に拍手を送りたいと思います。
私が修習生の時、こんなことを言う同期がいました。
「政治で決まったんだから貸与制は仕方ないでしょ」
Σ(・□・;)
弁護士というのは民間人でありながら、国の三権分立の一翼である司法権を支える重要な職業であると思っています。
弁護士を目指す修習生(裁判官でも検察官でもですが)が、立法や行政が決めたことを仕方ないと言って諦めてしまっていいのか・・・と思いました。
とにかく71期の給付金支給が決定してから、谷間世代の孤立は加速する一方であった結果、少しでも負担を減らすような措置をとったことは大変喜ばしく思います。
もっとも、その一方で、弁護士会に負担を転嫁させることは避けるべきだと思います。